1110人が本棚に入れています
本棚に追加
「マジでキレんなって。父親かよお前」
「うっせ。いいんだよ俺たちはこのまんまでっ」
続けて自分の枕も投げつけると、梶田が今度は器用にキャッチし、頭の上に乗せた。
「ふーん。このまんま、ねえ」
「――なんだよ」
「いつまで?……いつまでこのまんまなの?」
「……」
答えに詰まった俺の顔を見て、梶田は困ったように笑った。
「俺らが思ってるより、女って、意外と薄情だったりするぜ?
置いてけぼり喰らわないように、もうちょっと警戒しといたほうがいいんじゃね?
あっちがさっさと余所で彼氏見つけて、ただの幼なじみで終わるパターンもあり得るかんな」
「……」
バスケのシュートを打つように、梶田の両手から綺麗なフォームで放たれた枕が、俺の頭にボスッと命中し、跳ねて床に落ちた。
最初のコメントを投稿しよう!