-4-

7/10
前へ
/40ページ
次へ
「マジでキレんなって。父親かよお前」 「うっせ。いいんだよ俺たちはこのまんまでっ」  続けて自分の枕も投げつけると、梶田が今度は器用にキャッチし、頭の上に乗せた。 「ふーん。このまんま、ねえ」 「――なんだよ」 「いつまで?……いつまでこのまんまなの?」 「……」  答えに詰まった俺の顔を見て、梶田は困ったように笑った。 「俺らが思ってるより、女って、意外と薄情だったりするぜ? 置いてけぼり喰らわないように、もうちょっと警戒しといたほうがいいんじゃね? あっちがさっさと余所で彼氏見つけて、ただの幼なじみで終わるパターンもあり得るかんな」 「……」  バスケのシュートを打つように、梶田の両手から綺麗なフォームで放たれた枕が、俺の頭にボスッと命中し、跳ねて床に落ちた。
/40ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1110人が本棚に入れています
本棚に追加