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 つまり、――健全な中学三年の男子である俺としては、周りの誰かが誰かと付き合って、そののろけ話を聞かされれば、多少は羨ましいと思わないこともないわけで。  でも実際、今まで俺は、やっぱりそれをどこか他人事のように捉え、聞き流してきたんだと思う。  幼い頃、俺たち3人が遊んでいる横で母ちゃん同士が交わしていた、自分たちには関係のない大人の世間話のように。  ――でも……。  亜優は?  亜優は、どうなんだろう。
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