第1話 月明かりの下で

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「キ、キサマラ!ワレヲメノマエニシフザケテイルノカ!」 そう魔物は吠えるが、男と狼は応えた様子が見られない。 「なんかほざいてるな、あの犬コロ」 「ねえ?今どんな気持ちかしら?飼い犬の如く結界に捕まった気持ちは?ねえ?ねえ?」 その言葉をニヤニヤと嫌な笑みを浮かべながら聞く同じ犬科の狼 「グッ…キッサマァ!」 「もう言葉まで無くしてしまったのね」 「いや喋ってる喋ってる」 「分かってて言っているのよ、それより飽きたからさっさと倒しちゃいましょう」 「へいへい、てなわけで終わりだ犬コロ」 「キサマラナニヲ…グァッ!?」 魔物は言い返そうとしたが、それは出来ずに終わった。 何故なら周りに刺さっているのと同じ、蒼白く揺らめく剣が、魔物の眉間に刺さりその命を散らしていたのだから・・・
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