第2話 彼等の日常

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「ほら朝よ、起きなさい」 現在、朝10時一匹の狼が一人の男を起こしている。 「…まだ早い、もう少し寝かせてくれ葵」 葵と呼ばれた狼は溜息を一つ吐くと、今だ布団に包まっている男にこう続けた。 「10時に起こしてくれと言ったのは貴方でしょ?新(あらた)」 「…ZZZ」 ブチッ 「い た だ き ま す」 カプッ 「いってぇ~~!!犬っ!なに人の足に噛み付いてんだ!」 「はいお早う、顔洗ってらっしゃいな」 「…噛んだことへの謝罪は?」 「貴方に頼まれて起こしに来たのに、起きなかったことへの謝罪は?」 「葵さんお早う、顔洗ってくるわ」 「よろしい」 こうして彼等の少しばかり遅い朝は過ぎていった。
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