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そこにある、黒い大きな影。
それは、明らかに普通ではなく。
ほわわんと、浮いて居た。
影だっていうのに、表情や服装とかはわかる。
動かないっていう強い意思を持った表情に、薄い緑色の着物を着ているお婆さん。
ちょっと危なそうだな。近づかない方が良い。
「美紅?あそこの店、行こうよ。」
指差した先にはお婆さんの居る店。
「んー、ちょっと待って。先にさ。ゲーセン行かない?」
えー、と言いながら了承をくれた。
「おっと、ちょっとこっちね。」
お婆さんを通ろうとした七海を咎め横にそれる。
「?よくわかんないけれど、なんか獲る?」
「うん。そーだね。」
正直言ったら、もう帰りたいし、この場に居たくない。
「これとかいいんじゃね?」
でも、楽しそうな友達見たら言えるわけないでしょ。
「おぅ、獲るか。」
あ、両替してくる、って言ってるから、一回やって待つ。
「難しいねぇ。」
「そだねぇ。なにするー?」
吐き気がする。寒気がする。
「も一枚プリ撮って帰ろっか?」
「そうする。」
はぁ、疲れったなぁー。
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