129人が本棚に入れています
本棚に追加
/146ページ
期末テストが終わり、あとは三者懇談だけだという十二月。
食べることが苦手になることがあり、すべてあげてからとても億劫な時間になってしまった給食。
俺はいつも通り、ぼぅっとしていた。
気にする人が居なけれは咎める人も居ない。
この日も、時間が終わるまで何もない筈だった。
人と人の間、赤い服。
小さい少女。
それを見るまでは。
この子は見覚えがあった、ような、そんな気がしないわけでもない。
まぁ、ちょくちょく変なのが居る。
ここは、元墓地ではないが、かなりの人が亡くなっているらしい。昔は病院でもないけれど、今でいう市役所だった。
なんで、そんな人死んでんの。って思うでしょ?流行病とか、空襲とか、まぁいろいろ。
そんな事があったところを大きくしたり、建て直したりしながら今俺たち中学生が通っている市立中学ができたとさ。
人が多く亡くなれば霊は居るわけで。成仏してないのも居るわけで。
面倒だが、霊が表れるってこと。
「あー、思い出した。こいつ、人を脅かす奴だわ。翔真も脅かされたって言ってたっけな。んー、放置。塩忘れてるし。」
多分、気づかれていない。というか、そうであってほしいだけ。まぁ、脅かすだけで、危害がなければ憑くこともない。
最初のコメントを投稿しよう!