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数日後。 お兄ちゃんが家に御飯を食べに来た。 「今日は沙織さんは?」 「ちょっ――、母さんに聞こえるから小声で聞けよ」 既に片付いたテーブルで、一緒にテレビを見ながら話す。 お母さんはキッチンでお皿洗い中。 お兄ちゃんは、未だに彼女の存在と同棲している事実をお母さんに言っていない。 どれだけ自惚れているのか知らないが、お母さんがショックを受けるから、だそうだ。 「先生方と飲み会だって」 「ふーん、そっか」 お兄ちゃんの彼女の沙織さんは、小学校の先生になったそうだ。 ちなみにお兄ちゃんは、食品会社の営業部に就職。 「晃樹とは会ってんの?」 出た。また、いつもの質問。
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