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『私、心臓悪くてさ』 公園でベンチから立ち上がった昌さんが、座ったままの私を見ながら話すのを思い出す。 『高3の二学期に大きな発作が出たの。 晃樹の部屋で。 晃樹は何も悪くないし、救急車もすぐ呼んでくれたから命の恩人なんだけど、うちの父親が晃樹に責任をなすり付けて激昂して。 手術もすぐ必要で、他の県の病院に入院しなきゃいけないっていうのもあったんだけど、転校して晃樹とは無理やり引き離されたの』 思い出しながら語る昌さんは、眉を少し垂らして、切なく悲しい表情だった。 『嫌な思いをさせたと思う。 しばらくケータイも取り上げられて療養に専念させられたから、連絡も取れなかったし。 晃樹は何度も連絡をくれたり、わざわざ引っ越した私の家まで謝りに来てくれたりしたって、後になって母親から聞いた。 でも、晃樹の身になって考えると、元気になってからも合わす顔が無くて』
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