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「してねーよ。 嘘だって。 そんなに怒鳴らなくてもいいだろうが」 「それはヒミツ。 いくら兄上相手でも2人のプライベートは教えません」 ……。 何の話をしているのだろうか。 クスクス笑いながらお兄ちゃんをからかっているウソツキさん。 「分かった。 もうちょっとしたら一緒に下りてくるから」 その言葉を最後に、電話を切った。 「お兄……ちゃんから?」 「ええ。妹想いの素晴らしいお兄様。 お好み焼きするんだけど一緒にどうか、って。 偶然にも」 「あ……、そうなんだ」 本当は二人きりが良かったけど、まぁ、いいか。 財布と鍵をパーカーのポケットに入れて、家を出る準備をし出すウソツキさんを見て、私も立ち上がった。      
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