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「いらっしゃい」
笑顔で扉を開けてくれたのは、沙織さんだった。
「こんにちはー」
「どーも。あ、これ冷やしといて」
中に入り、近くのコンビニで買ってきたジュースとお酒を沙織さんに渡すウソツキさん。
私は、なんか大人だな、なんて思いながら、その後をついて部屋に上がる。
私はお兄ちゃんが大学に進学してすぐの頃に1、2回上がっただけなので、今沙織さんと一緒に住んでいる部屋に上がるのは、なんだか変な気分だ。
ウソツキさんは、何度も来ているような雰囲気だけど。
「もう焼いてんだね」
ウソツキさんの声と共に既にお好み焼きを焼くいい匂いがするリビングに入ると、テーブルの前にお兄ちゃんが1人で胡坐をかいて座っていた。
腕を組み、なんだか娘を嫁に出すような神妙な面持ち。
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