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「ネコ。 アンタ、お母さんに言ってあんの?遅くなるって」 夜9時近くなってきた頃、ほろ酔いのお兄ちゃんと沙織さんより比較的まともなウソツキさんが、コソッと私に尋ねる。 「うん。 今日お母さん、出張で泊まりだから」 「マジ? 大丈夫なわけ?ネコ1人で」 「うん、たまにあるから、こういうの」 「俺、泊まらなくてよかった?」 斜め横の結構近い位置でのコソコソ話。 頬杖の角度をわざと私に寄せながら、意味深な笑顔を向けるウソツキさん。 「だっ、大丈夫だよっ、子供じゃないし」 「はい、そこ!何ヒソヒソと話してるんだ?」 沙織さんと話していたお兄ちゃんが、若干大きかった私の声に反応して、人差し指をビシッと差してくる。
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