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「……」
沈黙がその場を覆う。
ウソツキさんが静かに視線を私へ移す。
沙織さんも、少しだけ驚いた表情で私を見た。
「何してんの?アナタ」
「……」
ウソツキさんのちょっと呆れたような、でも怒っているような声が私を刺す。
私は何も言えずに、スカートの膝の部分をギュッと握り、ゆっくり俯いた。
「写真見て何になるわけ?
自分で自分の不安を助長させて、疑いの気持ちでも育成中?」
「ちょっと晃樹、そんな言い方しなくても」
ウソツキさんの言葉に、沙織さんが横から入る。
私の視界は波打ち、目の奥がじわっと熱くなる。
お兄ちゃんのバカ。
なんで言っちゃうの?
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