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「それって、過去にそういうことありましたって言ってるようなものじゃ……」
「揚げ足取るね、ネコさん」
クスクス笑いながらそう言ったウソツキさんは、私の頭を首の後ろまで滑るように撫で、反対の手で私の唇を親指で拭った。
そして、上目遣いでふっと笑ったかと思うと、ゆっくり優しいキスをした。
テーブルの上のカフェオレの匂いがチョコレートの微かな香りと混ざって、私を甘くフワフワな気持ちにさせる。
……幸せなんだと思う。
好きな人に撫でられて、好きな人にキスをしてもらって、今、一番幸せなはず。
「……」
……でも。
私の頭の中には、1人佇む昌さんが切なそうな作り笑顔。
昌さんの気持ちを考えると、痛い。
ウソツキさんの今の本当の気持ちを考えると、……怖い。
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