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ケータイの向こうからは、いつもののん気でからかいがちなウソツキさんの声。
『仕事終わって、もーすぐ家に着くけど、ネコは今』
「昌さんがっ!!」
『は?』
「どうしようっ、ウソツキさんっ!!
昌さん、死んじゃう!」
冷静に冷静に、と自分に言い聞かせていた気持ちが、ウソツキさんの声を聞くことで安堵したのか、一気に溢れる。
そして、そのことでまた涙が再開。
『ちょっ、ネコ、まず落ち付け。
何があったか、深呼吸してから説明して』
声が硬くなったウソツキさんの言葉に、私は言われたとおり深呼吸をし、この状況を懸命に説明した。
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