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「ごめんね、勝手なこと言って、勝手なことしちゃって。
さっき言った気持ちに嘘はないけど、俺、ちゃんと諦めるから、これからも友達でいてくれるかな」
後ろを振り向かずに話す大橋君の鼻を啜る音が聞こえる。
いろいろ気になることがあったが、私はそれ以上つっこんで聞くことができずに、
「うん。もちろん」
と、大橋君の背中に答えた。
「わっ、遅いから心配になって迎えに行こうと思ったら、なんで大橋といんの?」
あと数歩で部屋というところで、中からノンちゃんが出てきて、次第に般若の顔になっていく。
「大橋~、あんたまだ美亜につきまとって……」
「ちょっ、わっ、イテッ!叩くなコラ。
誤解だって」
2人の大きな声が、廊下に響く。
その後私達は見回りの先生からきつく注意を受け、修学旅行最後の夜は終わった。
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