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「美亜、ほら、ホテル着いたよ。起きて」 「え?あ、……あぁ」 ナナちゃんの声に、パッと目を開ける。 修学旅行1日目。 北海道に着いて、バスで少しだけ観光をしてからホテルに着いたところだ。 それぞれバスに積んでいた大きなバッグを受け取り、先生の先導のもと、ホテルのロビーに入っていく。 「種田さん、持とうか?」 途中、背後からすっと覗き込んできた大橋君。 「えっ、いいよ。大丈夫」 「サンキュー、大橋。俺の持って」 「だーーっ!平岡には言ってない!男のは持たん」 横にいた平岡君と戯れている大橋君を見て、 「みんな浮足立っていること」 と、ナナちゃんが呆れた顔で笑った。 昨夜。 ウソツキさんから電話があった。
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