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昌さんは過去に心臓の手術は済んでいるし、それが原因の発作ではなく、やはりただの過呼吸だったということ。
様子も落ち着いて、昨日の内にすぐ帰宅したということ。
私はそれを聞いて、ホッと胸を撫で下ろした。
『……で。
ネコに謝ってて、って言われたんだけど』
昌さんと一緒にタクシーに乗り、先に昌さんを降ろしてから家に帰ってきたらしいウソツキさんが、そう付け加える。
「うん……」
多分、それは発作を起こして心配かけたことに対してじゃ……ない。
そう察すると、無意識に声のトーンが落ちてしまう。
『やっぱり何かあった?
昌はそれ以上何も言わなかったけど』
「……」
沈黙を作る私に、
『ネコさーん。
俺、自分の知らないところでアナタに泣かれるの、嫌なんですけど』
と言ってくるウソツキさん。
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