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「はい」 「じゃあ尚更、悩むのは当たり前だよね。 しかも学生と社会人てなると、いろいろすれ違ったりもするだろうし」 「……」 紅茶のカップを持ったまま、沙織さんは切なげに微笑む。 「多分、晃樹が社会人になったことですれ違いの生活になったりとか、昌のことがあったりとかして、否が応にも今までの付き合いに変化を余儀なくされちゃったから、不安の蓄積が、知らず知らずに美亜ちゃんの中でバリアを作っちゃったのかもしれないね。 このままでいたいのに、って」 蕁麻疹もそれで出たのかな、と付け加えた沙織さんは、私の気持ちを察するように眉を下げた。 「そうかも……しれないです。 でも、それだけじゃなくて、嫉妬もしたし、完全に信じることもできなかったし、なんかもうぐちゃぐちゃで、自分のことが嫌になって」 「それでいいよ。 完璧で綺麗な恋愛なんて存在しないから」
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