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「美亜ちゃん。
ぐちゃぐちゃな気持ちになるのも分かるし、蕁麻疹が出て、悲観的になっちゃうのも無理ないと思う。
他人がこんなこと言うと軽く聞こえるかもしれないけど、正直、本当に辛いと思う」
いつになく真剣な眼差しの沙織さん。
正座をしている私は、テーブルの上から膝の上に移動させた手に、自然と力をこめる。
「でも、好きなら、この関係を続けたいって願ってるんなら、ちゃんとお互いの気持ちを持ち寄って、ちゃんと答え合わせをして、とことん向き合って、ぶつからなきゃいけないと思う。
自分の中でだけ悩んで完結するんじゃなく、痛みを伴うことも覚悟で」
「……っ」
泣きそうになった。
でも、泣いたらいけないような気がした。
「昌の言葉だよ、これ。
この前電話で、自分を省みてそう言ってた」
「え……?」
沙織さんはにっこり笑う。
「会わないで一人でとことん考える時間はあってもいいっていうか、むしろ必要だし、悩むことは一概に悪いことじゃないと思う。
だから、落ち着いたらでいいから、今言ったこと考えてみてね」
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