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沙織さんはそう言って、残っていた紅茶を飲み干し、ふー、と肩を下げて息を吐いた。
そして、今の言葉を噛み砕こうとしている私を見て、また笑顔を向ける。
「あと、遼平のことだけど……。
お兄ちゃんに、何か言われたりした？」
「……え」
「お兄ちゃん、過保護に拍車かかってるもんね、今」
沙織さんがわざと渋い顔を作る。
「……はい。
別れろって言われました」
「……。やっぱり」
この前ウソツキさんが家に来て帰った後、お兄ちゃんに言われた。
半分呆れ顔で溜め息をついた沙織さんは、
「遼平がそういうふうに言うのって、美亜ちゃんが大切で傷つけたくないからっていう理由が第一なんだけど、もう1つあるんだ」
と、話し出す。
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