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「……ホント、ネコって、子どもっぽいと思えば急に大人びたこと言ったり、臆病かと思えば急に大胆なこと言ったり」 ハァー、と、ウソツキさんは頭を押さえてため息をつく。 「これでも必死なんだから、悪者にさせないで、俺を」 続けてそう言い、何もつけていない右手を私の方へ差し出す。 「……」 私はちょっと赤くなりながらも、そっと、ゆっくり、ウソツキさんの手に自分の手を乗せる。 恋人同士のよくある光景が、今の私にとっては泣きたいくらい嬉しくて、また唇に力が入りそうになりながら。 「とりあえず、手、つないで帰ろ?」 「うん」 握られた手の力と温もりに、ウソツキさんも同じ気持ちなんだと思いながら、私も立ち上がる。 以前、ウソツキさんに初めて触れることができたときも、手をつないで屋上に行ったな、なんて思い出して、ふふっと笑ってしまった。      
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