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「美亜。鼻歌もれてる。
彼氏?」
「え」
休み時間。
うちのクラスに来たノンちゃんが、枝毛を探しながら、あまり興味がなさそうに聞いてくる。
「そーだよー。今日は久々のデートだって。
昨日まで、もう2週間も会ってない、ってぼやいてたのに、分かりやすいよね。美亜は」
笑顔のナナちゃんが私の代わりに答える。
「あーーー、ホントにいいなー。
私にはいつできるのー?彼氏」
そう言って口を尖らせるのはアサちゃん。
だから朝子は、って、ノンちゃんのつっこみが続くいつもの流れが繰り広げられる。
あの、屋上でウソツキさんと話した日から約2ヶ月が過ぎた。
相変わらず仕事が忙しいウソツキさんとは、あれから3、4回しか会えていないけれど、ぼやきながらも、私の気持ちは以前のそれとは全然違っていた。
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