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何度目だか、もう数えきれないほどのキス。
ウソツキさんが体を起こして、最後にもう一度優しく唇に触れてから、ゆっくり離された。
「……ごめん。がっつき過ぎた」
おでことおでこをコツ……とあてながら、苦笑するウソツキさん。
「……ううん」
その言葉に、急に恥ずかしくなり、俯きがちに首を横に振る。
「ネコ、顔上げて」
あ。ネコに戻ってるし。呼び方。
そう思いながら顔を上げると、ウソツキさんがふっと笑いながら、私のおでこや鼻筋や頬を、人差し指の腹でたどっていく。
最後に唇をなぞられて、互いの視線が絡まると、また傾けられた顔が近付いてきて、ゆっくり静かに唇を重ねられた。
「ハ……。
終わんないね。これじゃ」
顔を離したウソツキさんが、体を後ろに倒して、手をつきながら笑う。
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