嫌われ者はババァ

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紹介が遅れたけど、俺は楠 彰(くすのき あきら)。 普通科の二年。特技らしい特技は持っていない。勉強の出来はこの高校では並くらいかな。この学校で並っていったら全国の並に値すると思う。 つまりは極々普通の高校生だ。 強いて特徴を挙げるなら、髪色が茶髪という点。 これは親の趣味で幼少期からこの色にさせられている。地毛ではない。 何故だか分からないが、小・中・高校とこの髪色に触れる教師が誰一人として現れないことが俺の中の唯一の疑問としてあるのだ。 どうも俺には教師の目を晦ます術か何かを持っているらしい。 そんな適当な自己紹介を誰かに向けてしていた俺へ、カードを数枚持った手がスッと伸びてきた。 「さぁ、俺の手札から運命のカードを一枚引くといい!ジョーカーが入っているかは…引いてからのお楽しみだぁ!」 「秀二よ、一つ聞いていいか?お前ポーカーフェイスって知ってる?」 「何を言うかと思えば…まさに今俺が実演しているじゃないか!」 いやいやあなたは何をどうしたらそんな解釈ができると仰るつもりなのでしょうか。 『今ならジョーカー、お安くしますよぉ(ニヤリ』と水戸光圀公の付き人の中にいたあのごますり君みたいな顔になってるけど、いいのか?
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