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俺は深いため息をついてから秀二の手札から一枚引いた。
取ったカードは幸いなことにジョーカーではなかった。
だが、俺の手札のカードに合致するものもなかった。
秀二はジョーカーが抜かれなかったからか、少し落胆した表情に見えた。そんな顔するなよな。宥めなきゃいかんだろうが。
「さすがお前は天才だよ。怪しい顔しながらよく堂々とあんなこと言えたもんだ」
「そ、そんなに俺を見ないでくれ………照れるじゃないかっ!」
いきなり顔を覆って恥ずかしがるような仕草をする秀二の様子を目の当たりにした俺に吐き気止めと頭痛薬を恵んでくれ。
できればバファリンとかで。
そこに俺らのやり取りを見ていた一人の女子が目を輝かせながら声をかけてきた。
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