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「………えっ!わ、私に何か用だった?」
俺の隣に座っている女子は急な呼びかけに少々戸惑っている様子だ。
やけに静かだと思ったら…うたた寝でもしていたのだろうか。
名前は、園部 涼(そのべ りょう)。
こちらも普通科二年。あそ部(総合実務部)の部員だ。恐らくこの四人の中で一番しっかりしているのは彼女だろうな。
名前の涼という漢字がこの人を表しているようなクールな性格。でも少しおっちょこちょいなところもある。
とても爽やかな黒髪ロング。それとはまた変わって幼さがまだ残っている童顔。また、真奈美と対照的になる控えめの身体だが、真奈美に負けず劣らずの美少女なのだ。
しかし告られた経験はまだ無いみたいだ。(実際にそうなのかは定かではない)
席に座っている状態でも俺と頭一個分の差があるから、少し上を向かないと声が届かない。だがその上目遣いをするように話しかけられると……ちょっと可愛く見える。(ち、ちがうんだ!別にこれは恋愛感情とかじゃなくて!)
くだらない事を考え込んでいたら涼が心配そうに声をかけてきた。
「いきなり頭を抱え込んでどうしたんだ?頭が痛いのか?よければ今日はこれで切り上げてアキの家までついて行ってあげるけど…」
「だ、大丈夫だ。元々俺の脳内では痛々しい情報しか流れていないからこんなことは日常的なもんだ」
「…つまりは大丈夫ってこと?」
うむ。スルーしてくれてありがとう!感謝!
「あぁ、俺達の前にいる二匹が面倒だったから少し一呼吸入れてただけだ。…心配かけたな。」
「べ、別にっ!そんなに気にかけてなかったし!」
頬を赤らめてプイッとそっぽを向いた仕草に俺は心臓を撃ち抜かされそうになった。ツンデレ、いただきました!
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