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「あー、このクラスとももうすぐお別れかー。
4人また一緒のクラスって難しいよねー」
アサちゃんが教室の窓の桟に肘をつきながら、物憂げに溜め息をつく。
「そーだねー、1年間ってあっという間」
ナナちゃんが笑いながら相槌を打つ。
次第に窓から入ってくる風が春めいてきた3月。
お昼休み、窓際に4人で集まっていつものようにお喋りをしながら、私もこんな楽しい時間ももうすぐ終わりなのかな、としみじみ寂しく思った。
「分かんないじゃん、2年になっても同じクラスかもしれないし。
つーか、頻繁に集まればよくない?」
枝毛を探しながら、何てことないようにノンちゃんが言うと、だって~、とアサちゃんが泣き真似をしながら、それでも寂しい、とまた訴えた。
「そう言えば美亜っちの彼氏、今年から社会人だよね?」
ふとアサちゃんが思い出したかのように話を振る。
「うん。そうだよ」
彼氏、って言われることにまだ慣れていない私は、少し照れながら返事をする。
「いーなー、かっこいいーなー。
どんなお仕事なの?」
「なんかよく分からないんだけど、結構大きめの企業の企画マーケティング部?
……だったかな?」
「わー、私もよく分からないけど、なんかなんとなくかっこいいね」
「朝子は何にでもかっこいいって言うね」
感心したような顔のアサちゃんにノンちゃんが呆れ顔でつっこみ、私とナナちゃんはアハハと笑った。
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