314人が本棚に入れています
本棚に追加
とっくにこの恋に冒されて、ピンク色の……何だろう。やわらかくてキラキラしたもの。
わたあめ……いや、なんか違う。
……例えば、ピンク色のオーロラの真下にいる感じなんだろうか、俺。
あまりにもメルヘンな自分の思考回路に、一瞬はたと動きが止まる。
やっぱり、幸せだと思考回路まであったかくなるんだろうか。
陽香のいなかった時間は、真冬のようだったと思う。
自分で自分のことを「馬鹿だな……」と思うときも、あるにはあるんだけど。
今は、こんな自分のこと、嫌いじゃない。むしろ、人間なんて少し馬鹿なくらいの方が可愛げがあるだろ、なんて広い心でそう思える。
まあ、本当に馬鹿でも困るんだけど。
止まらない思考のループに、思わず我に返ってしまった。
今日はもうとりあえず、陽香のシチューをお腹いっぱい味わいたい。そして、あったかいベッドの中で早々に眠ってしまおう。
もちろん、陽香をだっこして、ね。
-fin-
.
最初のコメントを投稿しよう!