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俺が引きこもった理由は2つ。
1つ目は、生まれ持った強面のせいで
やたらと絡まれるから。
なんもしてねーのに歩いてるだけでケンカ吹っ掛けられて。
いい加減だるすぎだから。
2つ目は、桃に迷惑かけたくないから。
俺は自分でも分かるくらい、桃に依存している。
中学の時は、桃に近づくやつは片っ端から駆除してた。
でも鈴太に、
「悪い虫追っ払うのはいいけど、せーちゃんのこと考えろよ?」
と言われ、初めて気付いた。
俺すげぇ束縛してんな、って。
桃のことは大好きだ。でも、この感情は恋愛感情ではない。
なのに、桃の恋愛事にまで首突っ込んで、
俺がもし桃の立場だったら完全に嫌ってる。
「(…ムリ。…………桃に嫌われたら生きていけねぇ。)」
そう思って距離をおきたかったのが理由だ。
そんなことで引きこもんなって鈴太は言うけど、
俺にとっては一大事だ。
だって、俺の最優先は桃だから。
そんなこんなで引きこもっていた俺だったのだが…………
「………………」
「わーっ!!きーちゃんだっ久しぶりー!」
「………………」
「よかったー元気そうでっ(о´∀`о)」
「………………」
……桃会いたさに引きこもり卒業しました、情けねぇ。
「きーちゃん、学校行く気になったんだって?よかったー!」
「よかったなーせーちゃんw」
「うんーっありがとりんちゃんっ!!」
久しぶりに見た桃はなんというか…………
やっぱり眩しかった。
桃の声、桃の笑顔、桃の存在。
桃の全てが俺を満たしてくれる。
「(あー………やっぱ桃いねーとムリ。)」
桃のいない生活に限界を感じていた俺は、
どうするべきか悩んでいた。
「(でも、中学の二の舞じゃな……)」
束縛はしたくない。桃の笑顔を見ていたい。
でも……やっぱ俺以外と話してんのイライラする。
そんな矛盾が俺の中でごちゃ混ぜになって、
結局俺は、また動けない。
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