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「りんちゃんもずっと心配してたんだよ?」
「ははっ、言いたいこと全部言われちったww」
煩い。桃と話すな。
俺の前で、俺の知らない話を桃とするな。
「………………」
「軋樹。」
煩い。嫌だ。
だって、俺は、自信がないんだ。
桃と鈴太が話すだけでこんなにイライラするのに。
「男だろはっきりしろ。」
「でも、俺は、」
ダメなんだ。
結局俺は、変化を恐れてる。
でも、それでも、
俺は桃を傷付けるのが、たまらなく怖い。
「逃げんのか、人に迷惑かけてんのに怖いからって逃げんのか。」
「んだと……!!」
うるせぇ、わかってる。わかってんだよ。
「軋樹、」
視線を会わせれば、俺の苦手な目。
真剣で、俺を見透かしたようで、
それでいて威圧感がある。
………………………………あに、き。兄貴、教えてくれ。
俺は桃のそばにいていいのか?
俺が学校に行った先に、桃の幸せはあるのか?
…………俺の心は、晴れるのか?
「っ、………………い、く。」
もう、何もわからない。ただ、楽になりたい。
「…………学校、行く。」
「!!ほんとー?!わーやった!!」
俺はこの笑顔を、守れるだろうか。不安だ。
「よく言った軋樹!さすが俺の弟っw」
わしゃわしゃ髪をかき混ぜる鬱陶しい手をしばき落として、
こいつ意外と我が強いなと思う。
俺がどれだけ反抗しても、
結局は鈴太の言葉に首を縦に振ることになる。
敵わないのが、なんか、悔しい。
いつか、
いつかこのヘラヘラしたくそ兄貴を追い越して、
ぎゃふんと言わしてやる。
だから、しょうがないから、学校行ってやる。
………………やっぱ不安だけど。
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