新たな日常

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俺がこの学校に入学してはや3ヶ月が経った。 この学校は少し変わっていて。 中学のときは怖がって誰も近付いてこなかったのに この学校は逆に、怖がる人のほうが少ない。 初めてクラスに入ったとき、 ド緊張して普段より目付き悪かった俺を みんなは温かく迎えてくれて。 休み時間になるたび誰かしら話しかけてくれる。 昼休みはご飯に誘ってくれるし、 移動教室のときは気遣って一緒に行ってくれた。 何だかむず痒い気持ちになって、 どうしたらいいかわからなくて、 素っ気ない態度を取ってしまうけど、 本当は嬉しくて。 先輩も先生も、みんなよくしてくれる。 ダメなときはダメと叱ってくれるし、 よく出来たと褒めてもくれる。 今では友達と呼べる人も出来て、 最初は桃にべったりだった俺も、 今は桃と別行動なんかも出来るようになった。 ………まだ回りからはべったりだと言われるけど。 とにかく、口には出せないけど、 本当に感謝、…はしてて。 最近じゃ、学校に行くのが楽しみだったりもする。 無理矢理でも学校に行かしてくれた鈴太にも、 …まぁ少しは感謝してる。 とにかく、こんなに楽しいのは初めてで。 俺はみんなに何か返せているだろうか。 最近はそんなことを考えながら学校に向かう。 「おーい、軋樹はいんぞー」 ガチャ、 「朝だぞ起きろーて、起きてんのか。はよ、」 「…はよ、」 「ん、朝飯できてっから着替えて顔洗ってこいよー」 「…わかった。」 …また新しい1日が始まる。
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