第4話 【屋上のひだまり】

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新しくできた可愛らしい友達の背中を、笑顔で見つめる私。 「いつも、ここでしかしないんだな――その顔」 先生が、囁くような小さな声で呟きを落とした。 「はい?…何ですか?」 姿を消していく二人に気を取られていた私は、その声が上手く聞き取れず眉を上げた。 「いや…何でも無い。子どもが好きなのか?」 先生は、綺麗な青空が透き通る、大きな窓ガラスに背中をつけ私に視線を向ける。 「あ…はい。実家に帰ると、姪っ子と甥っ子の相手をするので慣れてるんです。小さい子と遊ぶの」 あんな事がある前は、もっと頻回に帰ってたから…。 そう、心の内に苦笑いをして静かに椅子に座った。 「実家はどこ?」 「長野県です」 「そう。今住んでるのは?あのコンビニの近く?」 「えっ?…はい、あそこから自転車で5分くらいのとこです」 「茶屋ヶ坂?自由ヶ丘?」 ガラスにもたれ掛り腕くみしながら、淡々とした口調でプライベートな内容の問いを連ねる先生。 なっ、何なの?この質問攻めは! 「…茶屋ヶ坂の方ですけど。何故聞くんですか?」 威嚇にも似た、いつも病棟で発する先生のオーラを浴びながら、私は遠慮がちな声を漏らす。
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