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「ふ~ん。茶屋ヶ坂ね。近いな…」
―――あれ? いま、私が質問しましたよね?
近いって、何が?
会話の相手を差し置いて、勝手に一人で納得しないでくれます?
これだから医者は。――――って、そうだっ!!
「昨日のビールありがとうございました!さっそく帰ってから飲みました。美味しかった~生ビールっ」
危うく、言いそびれそうになり言葉を急いだ。
「そう、それは良かった。――ところで、毎日コンビニでバイトしてるの?ここの給料じゃ、本当に生活厳しいの?」
「へっ?」
思いもよらない返しに、間抜けな声が落ちた。
ちょっと…
イラッとする。
「…毎日じゃないです。週末の夜だけ。給料は生活できなくは無いけど、安いですよ。事務員の給料なんて、ドクターからしたら埃みたいなもんです」
笑顔の下に、思いっきり嫌味を込めて言ってやった。
「そう、生活できるなら、どうしてわざわざ週末にバイトするの?コンビニの時給なんて、もっと埃みたいなものでしょ?」
なんだそりゃ!?
なんて失礼な奴!!
そこは、『えっ、埃って、そんな事ないでしょ~』って演技でも謙遜するか、もしくはお情けで突っ込みの一つでも入れるとこでしょーがっ!
イラッが、ムカッに変わった。
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