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私が、先生と似てる?
何を言ってるの?この人――
「どこが?どこが似てるんですか?」
あなたは高学歴に高収入。仕事でも、教授に認められるほど実績があって、将来有望な循環器専門医。
おまけにAランクのルックスで、誰もが認めるモテ男くんじゃないの。
「私と先生に、接点なんて何も無いと思いますけど」
そう、私には何もない。
女としてのプライドも、仕事に対する遣り甲斐も、守りたいモノさえも―――
彼を見上げ、口を歪めて皮肉に満ちた声を絞り出した。
「――安藤さんは、僕がキライ?」
大きく吐いた息と一緒に先生が問う。
「はい!?」
僕が嫌い?って……それこそ意味わかんない!
会話が全くかみ合わない。
天才って変わった人が多いって聞くけど、きっとこの人もその人種に違いない。
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