第三章 ー 北への旅 ー

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11月3日 「なんで祝日なんだよ!」 「えー、晃久休みじゃん?」 「じゃん!じゃ、ないだろ! 混むだろ!」 前日に宮の元に愛犬ちぃを預け一泊した俺は、待ち合わせのコンビニで鳴を拾った。 「混むから!」 「朝の5時集合? 遠足かっ! 修学旅行か!」 へへへ、と笑いながらコンビニ袋を差し出すバカ鳴。 「運転は、二時間交代!」 「わかった。早く乗れよ…。しょーがないな…。ムグッ…。」 口元にちぎったサンドイッチが放り込まれる。 いいタイミングで、ストロー付きのカフェオレが差し出される。 こいつとは、大学の時アルバイト先で知り合って、それからの付き合いだ。 こういう時は、やたら呼吸を読むのがうまい。
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