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昼少し前の札幌上空。
S.A.「もしかして、東京じゃないとこに飛んできたんじゃ…」
丼「どこか分からないでありんす」
灰「もうすぐ落ちます…」
S.A.「えっ?!」
丼「落ちてるでありんす」
ヒュ~~…。
ドーン!
丼は背中から落ちた。
丼「痛いでありんす」
S.A.と灰かぶりは丼の腹の上で無事。
灰「また、落ちてきます」
S.A.「えっ?!」
ドーン
S.A.が、丼の腹から降りた直後、丼の上にこおろぎとRが降ってきた。
丼「苦しいでありんす」
こお「すみません」
R「でR」
S.A.「ところで、ここはどこなのよ?」
ガーン!
時計台の鐘が正午を告げる。
急いでその音の方へ駆け出すS.A.。後を追う4匹。
S.A.、大きな通りに並ぶ有名な時計台を発見。
S.A.「もしかして、札幌?…???」
灰「札幌って、どこですか?」
丼「そうでありんすね…」
場所がよく分かってない4匹。
そこへ、かなり遅れて雀が飛んできた。
雀「お前ら、こんなとこにおったんか。かなり探したんでぇ…」
S.A.「東京に帰るんじゃなかったの?」
雀「しゃあないやろ!ワイのせいやない。まさか東京湾にグルがいるなんて思うわけないやろ」
S.A.「グルって誰?」
雀「一度、でっかい船に落ちそうになったやろ。その時、丼がケツ叩かれてまた飛ばされたやろ。そのケツ叩いた奴がグルや」
S.A.「あの時が、東京だったの?」
灰「あの、すみません。グルってどんな方なんですか?」
雀「だから、言うとるやろ…」
こお「ここは私が…」
こおろぎが雀を遮って説明し出した。
こお「グルとは、大阪で私達を飛ばしたアルのライバルで、例のゴルフ大会で負けた事を根に持って、アルの友達である私達をも敵視している、ちょっとイカれた鷲であります」
S.A.「じゃあ、何?私達は、あのアルっていうひとの、とばっちりで、ここまで飛ばされたっていうの?」
雀「そういうこっちゃ」
S.A.「そういう…ってね。アンタ…」
怒りに震えて声の出ないS.A.。
丼「まぁまぁ、せっかく札幌まで来たんでありんすから、ここでも何か美味しい物を…」
S.A.「お前は食い物の事しか頭にないんか!」
S.A.は思い切り丼の頭をはたいた。
バシッ
丼「痛い!でありんす」
第12話に続く
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