始まり

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鳴り響く目覚ましの音。目覚めた私は布団の中から這い出る。 今ではもう慣れた畳の匂いが鼻孔をくすぐり、ここが現実なのだと実感する。 「夢か…」 ぽつりと呟く。返事など当然あるはずもなく、その独り言はしんとした部屋に消えていった。 キスしてる夢なんて。しかもあんな濃厚な。私は恥ずかしくなってもう一度布団に潜り込んだ。 夢にしては生々しすぎる感覚だった。 熱く柔らかい舌に口の中をまさぐられる感触がまだ残っている。 …まだキスなんてしたことないのに。 ファーストキス奪われた気分だよ。
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