57人が本棚に入れています
本棚に追加
そろそろ遅刻してしまうので再び起き上がり、身支度を整える。
部屋の障子を開けると、磨き上げられた板張りの廊下の向こうには庭が広がっている。
手入れの行き届いた木々たち、小さな池の水は澄みきって、日の光を反射している。
裸足で廊下にでると、足裏がひんやりとして、小さな悲鳴を上げてしまった。
冬の冷たい空気が体を包む。氷が張るほどではないが、11月だからかやはり寒い。
この家に来て1ヶ月。実はここは、私の叔父の家である。
早くに父を亡くした私は母に女手ひとつで育てられた。だが、1ヶ月前ついにその母まで病気で亡くなってしまい、ひとり残された私を引き取ったのが母の弟である叔父さんだ。
最初のコメントを投稿しよう!