探検

4/6
前へ
/9ページ
次へ
「そうだな…」 当麻はしんみり呟いたかと思ったら、吹き出した。 おいおい~っっ!! 「おかげで俺にも打ち解けられる友人が出来たんだからな」 その顔でオレらの話かよ…。 「みんな、元気かな?」 「会うのはなかなか難しいけど、たまに連絡は来るぞ?当麻んとこもだろ?」 「ああ」 「最近は簡単に近況写真送れるから、便利だよな」 「言えてる」 「この間送られてきた遼の富士登山の写真、よく見ると背景の中に白炎いたの気づいたか?」 「ああ!居たな!」 久しぶりに会っても同じ話題出来るの楽しい。 「ところで、資料は出来たのか!?」 オレが言うと、当麻はプリンターの上から紙の束を取って確認して頷いた。 「ああ。これをレポートに挟んで終わりだ」 「よっしゃ!!じゃあ何食いに行く!?」 「まず、お気に入りのたこ焼屋に寄るけど大丈夫か!?」 「いいけど…本当、大阪人はたこ焼き好きだよな!」 「たこ焼きは国民食だろう?」 「断定入ったか…まあ、美味いモン食えるならオレは全然OKだぜ!」 「その後は牛丼屋とラーメン屋のどっちかで」 「そのココロは?」 「安くて美味い!おかわり自由有りっっ!!」 「完璧だぜ!当麻!」 思わずハイタッチで盛り上がる。 オレも当麻も人一倍食うからな。おかわり自由はスゲー助かる!!www もしかしたら店に取ってはありがた迷惑な客なのかも知れないが…。 「じゃあ、出掛けに資料返していくからな?」 「おう!」 当麻はレポートの仕上げにかかり、オレは使った本から栞を外して積み重ねる。 「当麻~っ今日はこのまま家に帰るのか?」 「そうだな…レポート出来たし、そうするかな?」 「じゃあ、オレのお土産は生モノだから持って帰ってくれな」 「ああ…中身は?」 「おうっ!驚けっ!オレの手作り焼売だぜ!!」 「手作り~っ!?」 「家の味ってのか?何と親父が伝承してたらしい」 「華僑の家だと作り方違うのか?」 「横浜は、ならではの店が多いからな…似たような焼売はあるんじゃねぇか?」 「なるほど。有り難くもらっとく」 オレと当麻は、本を返却して学校の校門を越える。 「ところで、飯は割り勘だからな?」 「ええっ!?」 「何だよ。そのがっかりした顔は~」 「せっかく来たのに、それはキツイっ!」 「……じゃあ3000円までな!はみ出た分は自分で払えよっ!」 「やったっ♪流石は当麻、太っ腹!!」
/9ページ

最初のコメントを投稿しよう!

0人が本棚に入れています
本棚に追加