予兆

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「いいですよ、もう。私、家に着きましたし」 「なんで?待ってるから、来ればいーじゃん。」 ええ?なんで? 「ちょ……」 「あ、待って。今川さんにかわるから」 えっ!?い、今川さん? 他の部署の人にかわられ意味がわからず、今川さんも 「えっ?なになに?誰?これ? ――ああ! 成ちゃん!?」 営業課に配属されるまでお世話になってた部署の今川さん。 突然なのは今川さんもなのか、よくわかっていない様子で。 そのあと、何故か数人と話をさせられ、 「なっ?来いよ?」 上機嫌の市川さんに 「行きません」 私はピシャリとそう言った。 「あー、もう。そっちはそっちで盛り上って下さいよ。じゃあ、切りますからね」 電話の後ろ側からはなにやら楽しそうな声がいっぱいする。 無理矢理電話を切って、私はやっとこさマンションに入った。 意味わからなさすぎ イライラする。 心の中で、モヤがかかった気持ちが広がっていく あー、もう。ヤダ。 市川さん、わからなすぎ。 部屋に入って荷物をおろすと、そのまま座りこんだ ノリが悪い、私が悪いのかな。 ふと見上げた時計に目を向けて、それなりの時間だということを確認してから、またうつ向いた 苦手なんだから、仕方ないじゃん。
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