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「ねぇ?上条さんは……?
乃村さんて、上条さんと同期じゃない?」
この期に及んでまでも、上条さん。な、私。
「そう思って私も言ったんだけど。なんかダメみたいよ?
いーじゃん、市川さんなら美紗緒もいいでしょ?
突然私と乃村さんと美紗緒じゃ、美紗緒も緊張するかと思うしさ?」
「んー……。」
千秋には前回の借りもあるし、あんまり断ってばかりなのも気が引けるし。
市川さん、ってのが気になるけど、乃村さんが話してしまったなら仕方ない。
幸せそうな千秋の声に、断ることが出来なかった。
イマイチ納得のいかないまま、翌日。
席に向かうと、市川さんの大きな背中が見えた
ああ、居る
なんか、気まずい……。
「おはようございます。」
緊張したまま、そう言って机につくと、
「おー。」
いつもの、市川さん。
ちょっと、ホッとした。
何だ、気にしすぎか。
そんな風に一回思ったら、特に何も起きないまんま、金曜日がきた。
終業時間。
「行くか」
市川さんにそう言われて、この数日間、今日の話を一度もしていなかったから無くなってたらいーのに。という希望が瞬時に消えた
「……はい」
ああ、早くも行きたくない
せめて無理なら、さっさと時間がすぎてちょうだい
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