覚醒

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この期に及んで、また仁科君 いい加減にしてよ!! ばっかばかしー。緊張して損したわ。 「お風呂借りますね」 一気に酔いもさめて、ドキドキしていた心は落ち着きを取り戻した はいはい、なんかもう。 これ以上は振り回されるのゴメンだ。 正直なところ。 誘われてるのかと思ってしまった。 けれど驚く事に、それでもいいかな、って思ってしまった自分もいて。 なのに、これか。 一人で勝手に赤っ恥。 うっわー!!ダサい!!私! お風呂からあがって、開き直った私は本棚をあさってズラリと並ぶ文庫本を物色。 本持ってけばって言われて来たわけだしね。 ってか、山登りってなんだ!! 「あ、これ、すんげー面白いから」 ぬっ、っと背後から現れた市川さんが、私の身体ごしに長い手を伸ばした 「……」 ダメだ。 思い過ごしだと思いたいけど、また、ドキドキしてしまった えー、もう。 私、どうしちゃったの!? ふと振りかえると、いそいそと布団を並べる市川さんの姿に、 やけにこなれてるな、と、視線を向ける そんでもって、まさかの御布団、縦に並べていらっしゃる。 もう、言葉が出てこない。
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