覚醒

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私、何しにきたんだ? 山登りの準備を始める市川さんを見て、冗談じゃなかったのか、と顔を洗ってる背中を見つめて、溜め息がでた。 その時、 ――ピンポーン 何とも間抜けな、インターホンの音が鳴り響いた 無言でスタスタと玄関に向かった私は、 「はい」 ガチャリ、と 無表情でドアをあけた 「えっ……ええっ!? なっ、成ちゃん!?」 玄関先には、驚いた顔の仁科君。 「なんで、成ちゃんがここにいるの!?」 「……さぁ。」 私はプイと横を向くと、何ともない顔をしている市川さんを見た ハラたつ。 「じゃあ、私もそろそろ帰ろっかな。」 ああ、もう、全部イヤ。 ダッシュで御布団を片して、逃げるようにマンションを後にした。 夏の日差しは、早朝なのにもかかわらず、じりじりと私を照りつけた。 あー、何やってるんだ私。 睡眠不足で頭が妙にクラクラする。 今朝がた市川さんがスキかも、なんて血迷ったのも、気のせいかも。 だって、苛立ちしか今の私にはない。 あー。ヤダヤダ!! 早く帰って、寝ちゃおう。
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