謎男 #2

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自分たちの自己紹介も済ませ、いまいち場の盛り上がりも欠けたまま無駄に時間だけが経過していく。 美味しいはずのお寿司も、気を使いすぎて味がしない。 やっとお開きになったかと思ったのに、「二次会」の言葉が飛び交いはじめ、そそくさとその輪から離れた 市川さんはもちろんその輪の中心にいて話し掛けれず、更にはなんだか罪悪感でいっぱいだった私は、千秋と藍子とそのまま駅に向かって歩き出した 「ちゃんと御礼言っておいてよ!!」 二人に念をおされ、 来なければ良かった。 なんてこの期に及んでまで失礼極まりない私は、自宅マンションについて直ぐに市川さんにメールをした 【御礼も言えないまま帰ってしまい申し訳ありませんでした。美味しいお寿司、御馳走様でした。同期まで御一緒させていただいて、本当にありがとうございました】 メールを送信した瞬間、やっと身体から力が抜けて、脱力する。 そもそも、市川さんにメールをしたのなんて初めてで。 ふと、 上条さんが、頭をかすめた
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