仰天 #2

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「俺の田所ちゃん」 何を言ってんだか。 私は呆れて 「あー、そうですか」 と言い返した。 あ、そっか。思い出した。見たことあると思ったら、 あの寿司パーティーに私達以外に一人いた女性、百菱商事のキャリアウーマンだ。 「俺の彼女」 「あはは、またまたー。なにいってるんですか。」 私はいつもの馬鹿げた冗談かと思って、笑い飛ばした 「だから、彼女だって」 しつこくそう言った市川さんの顔を見て、 一瞬で血の気が引いた ――う、そ……だ。 「何の冗談ですか?」 突然すぎて、心がついていかない。 呼吸がとまって、胸がキリキリときしむ 「いいだろー?」 嬉しそうにそう言う市川さんの顔には、『冗談』だなんて文字のジの字もない。 突然、言葉が出なくなって、私は唖然とした いつから? いつから、付き合ってたの? お昼休みが終わってからも、私は頭の中を整理しようとして、業務が全く手につかない。 もしかして、あの寿司パーティーのときには、既に……? 急に勝手に一人で立ち回っていた自分が滑稽に思えてきて、指先が震える これは、哀しみなのか。怒りなのか。 振り回された、だけ……?
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