3331人が本棚に入れています
本棚に追加
仰天 #2
週末、山登りをしたという市川さんからのメールはいっさいなくて。
ここ最近、なんかしらのメールは来てたはずなのに、全く来ないだなんて、どうしたんだろ。
って、なんかもう。策にハマってしまってるとしか言い様のない、わかりやすい変化の私。
これは、どうやったら進展するんだろ。
なんて言いながら、
日曜日にやっと私は彼に別れを切り出し、四年間のお付き合いに区切りをつけた。
きっかけがなかったら、ずるずると付き合っていたかもしれない。
だからといって、今すぐ市川さんとどうこうしたいわけでもないし。
そんな風に余裕を持てたのは、月曜日のお昼休み前までだった
「見て、コレ」
隣の席から、市川さんが携帯を差し出してきた。
「――はい……って、なんですか、これ」
嬉しそうにニヤニヤしてる市川さんの顔。
すでに、私はこの瞬間から混乱していた。
携帯電話の待ち受け画面には、
どこかで見覚えのある、女性の写真。
最初のコメントを投稿しよう!