仰天 #2

1/3
3312人が本棚に入れています
本棚に追加
/35ページ

仰天 #2

週末、山登りをしたという市川さんからのメールはいっさいなくて。 ここ最近、なんかしらのメールは来てたはずなのに、全く来ないだなんて、どうしたんだろ。 って、なんかもう。策にハマってしまってるとしか言い様のない、わかりやすい変化の私。 これは、どうやったら進展するんだろ。 なんて言いながら、 日曜日にやっと私は彼に別れを切り出し、四年間のお付き合いに区切りをつけた。 きっかけがなかったら、ずるずると付き合っていたかもしれない。 だからといって、今すぐ市川さんとどうこうしたいわけでもないし。 そんな風に余裕を持てたのは、月曜日のお昼休み前までだった 「見て、コレ」 隣の席から、市川さんが携帯を差し出してきた。 「――はい……って、なんですか、これ」 嬉しそうにニヤニヤしてる市川さんの顔。 すでに、私はこの瞬間から混乱していた。 携帯電話の待ち受け画面には、 どこかで見覚えのある、女性の写真。
/35ページ

最初のコメントを投稿しよう!