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そう聞こえた声にハッとして顔をあげると、後光が見えた上条さん
まさに神!!
「あら、上条さん」
「あ、田所さん……あ、そうか。」
田所さんの顔を見ると、にこやかに微笑む上条さん
うちの課じゃ、市川さんが田所さんと付き合ってるのは周知なわけで。
「ほんと仲のいい課で羨ましい」
何も知らない田所さんは、そう無邪気に笑っていて。
私は胸がキリキリするのを押さえて、愛想笑いでその場をしのぐ
「上条さん、コイツ、バカなんで誤解させるような事すると後々面倒っスよ。」
市川さんはそう嫌味を言うと、じゃ、と言って去って行った
「……」
よっ!
余計なお世話だ!!
「……ふっ」
私が市川さんの後ろ姿に怒りをぶちまけていると、隣で上条さんが吹き出した
「……ええ!?何ですか!?」
「いや、すんごい顔で睨んでるから」
そう笑ってくれた上条さんのお陰で、キリキリしていた胸が少しだけ楽になって。
「そんな、おもしろい顔でしたか……」
どのみち赤面して、また私はうつむいてしまった
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