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◆ #2
しまった、という顔をしたまま成田が駆け寄ってきて
「寒いから中にいてくれたら良かったのに」
申し訳なさそうな声で、そう呟いた
「あ?
そろそろかと思ってな」
ほんとはちょっと。
成田の焦った姿が見たかった、とか思ってたんだがな。と思うと、はぐらかすようにそう口から言葉が出てきてしまう。
バツが悪そうにしてる成田の姿がやけにぐっときて。
――ほんとは、成田がそんな顔をするのはおかしいんだけど。
バツが悪いのは、俺の方。
その後ろめたさから、どうしても自分からは白黒つくような言葉は出てこない。
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