◆ #2

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笑ったその笑顔に、不覚にも目頭が熱くなった。 ここでまた責めたてられたら、流石に自分のせいだとしても。キツすぎる。 笑って、仕方ないぁ、とささやく成田に、張りつめていた感情が途端に和らいでいく。 こんなにまでなっても、 ――手放したくない。 成田が無理して笑ってる、なんて全く気が付かなかった。 それくらい、余裕がなくて。 会社に足を踏み入れた瞬間、呆れた顔をしていた成田に 「今日はお前んち行くわ」 危機感からそう、言っていた。 田所があんなことになってる、ってのに。                -621
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