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それから、私の仕事も忙しくなりはじめ、
イチさんも相変わらず忙しくて。
なかなか時間が噛み合わなくなっていた。
たまに逢えるのは、月に一度か二度。
二人で逢うのも、いつも私のマンション。
望みが叶わないのがわかっていたから、いつの間にか何も欲しがらなくなっていた。
イチさんに逢えたらそれだけで。
彼女になりたい、なんて夢は。
どこかへ置き去りになっていた。
特別じゃなくて、いい。
でも、じゃあ私は。
どうしたいんだろうか。
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